彼は私を狂愛した。
ガチャ...
ゆっくりドアを開けて部屋へ入った。
玄関には慧兒の履いていた靴が綺麗に揃っていた。
慧兒...帰ってきてる...。
震える手を抑えながらリビングに向かった。
そこで目にしたものは
ソファに座っている慧兒。
ドクン__
ゆっくりゆっくり前へ進んだ。
「...慧兒」
名前を呼んで慧兒の前に行こうとすると
途中で真っ赤な血だまりのようなものに目が入った。
え....?
恐る恐る慧兒の前に立つと
腕から大量の血を流している慧兒がいた。
「...慧...兒...!?」
慧兒の手には私とのペアネックレス。
ピチャ...
「...っ!」
慧兒に触れようとすると足に生暖かいものが当たった。
『血』
「...慧兒...!起きてよ...!」
必死に慧兒の肩を揺する。
すると、ピクッと慧兒の目が動いた。