彼は私を狂愛した。
「私、これ以上大切なものを失いたくない....!!」
必死に慧兒にそう告げた。
泣きながら言ったから上手く伝わらないかもしれない。
すると慧兒はナイフを持っていた手に力を抜いた。
そして静かに落とした。
カランカラン....
「そ、うだよな...分かった」
そう言って慧兒は私の手を優しく掴んだ。
「ごめんな。ごめんな魅音」
「...もういいから」
「もう、二度とこんなことしない...約束するから...」
「うん...」
慧兒のその言葉、私は本気で信じてた。
これで、全てが終わると思っていたのは
私だけだったんだね...______