彼は私を狂愛した。
カランカラン〜♪
店内に入り周りを見渡すと沢山のお客様がいた。
そっか、クリスマスイヴだもんね...。
「魅音ちゃん、おはよう
今日は忙しいよ…!」
入ってすぐに舜に話しかけられた。
ふと慧兒を見てみると、目が一瞬あったけどすぐ離された。
「うん。おはよう
そうだね…
がんばろっか!」
私はいつも通りに明るく振舞った。
舜に迷惑をかけないように。
「魅音ちゃん、今日だけどさ…」
「林さーん!後藤くん!手動かして!」
舜と話していると店長に注意された。
なにを言おうとしたんだろう。
「はい!
…じゃあ、また後でね!」
舜はそう言って仕事に戻った。
私もすぐ仕事を始め、いくつもの料理を運んだ。
ガッシャーン!
近くから皿が割れる音がした。
音が鳴った方へ振り向くと
慧兒が倒れていた。
え…?
「け、慧兒…!」
私はすぐさま慧兒の方へ向かった。
だけど私より先に舜が慧兒の方へ行った。
「慧兒さん!大丈夫っすか!」
舜が心配そうに慧兒の肩を揺する。
だけど慧兒は一行に目を開けない。
ザワザワ__……
胸騒ぎがする…。
「ちょっと、大丈夫なの?」
「危ないわね…」
客席から数々の声が聞こえる。
…私はゆっくりと慧兒の方へと向かった。