彼は私を狂愛した。
トントントン…
足音を立てて慧兒へと近づく。
「…うっ…」
微かに慧兒の呻き声が聞こえた。
私は慧兒の横へしゃがみ込み
慧兒の様子を伺った。
「慧兒…?」
私が名前を呼ぶと
ガシッと手を掴まれた。
「魅音…俺…ゴホゴホッ!」
「慧兒…?」
慧兒の顔を見ると凄く真っ赤で
息切れをしていた。
これ…熱があるんじゃ…。
私は慧兒の額を触った。
すると物凄く熱かった。
「慧兒…熱あるよ…
今日はもう…」
私が言いかけると慧兒が口を開いた。
「俺…明日魅音と...ゴホッ
うわ、俺…情けな…」
慧兒が必死に話す。
そんなことよりも慧兒が心配だよ…
「うん…
明日のために今日は休んで?
ね?慧兒…」
私がそう言うと慧兒は小さく頷き
店内から出て行った。