彼は私を狂愛した。

私は急いで慧兒が待っている部屋へ行った。



そしてドアノブに手をかけた。



ガチャ！！



ガチャガチャガチャ！！



あれ...開かない...？



「慧兒...！私！開けて？」



ドア越しに向かって叫んだ。



しばらくすると部屋から声が聞こえた。



「...おい、近所迷惑。ていうかこんな時間まで何してたの？」




ドキ...



あ...私...



「ごめんなさい。ちょっと...」



私が小さい声で言うと慧兒が大きくため息をついたのか



ドア越しにまで聞こえた。



「舜と遊んでたんだっけ？...まぁそれは俺が悪いしね。

　いいよ、入りなよ」



そう言って慧兒は鍵を開けてくれた。



「あ、ありがと...ごめん...


　...っ！」



部屋に入った途端慧兒に壁に押し付けられた。



「俺の、時間返せ」



とても低い声で言った。



「え...？どういう...」



ドスッ...！



慧兒にみぞおちを思い切り殴られた。