彼は私を狂愛した。
「え…」
慧兒の言葉に1度耳を疑った。
「魅音は悪くない」
「え…?慧兒…?」
「魅音は今幸せ?」
慧兒…どうしちゃったの…?
「…うん」
「そっか…なら良かった。
なら心配いらないね
だって彼氏、悟だろ?」
…え、なんでなんで
慧兒が悟を知ってるの?
「悟を知ってるの…?」
「うん、高校時代の友達」
そんな…
悟にもしものことがあったら…
私、どうしたら…
「魅音…大丈夫だよ?
俺、何もしないから」
慧兒の言葉
いつも信じがたかった…
だから、この言葉はどう考えても
信じることが出来ない。
「あれ、魅音信じてないでしょ?」
ドキッ
あ…バレてた…
「そんなこと…」
「ふーん。あ、赤外線送信完了ー
はい、返す」
いつの間に登録されたの…
慧兒の行動が読めなかった。
読めなかったというより読もうとしていなかったのかもしれない。
「私…帰るね…」
「あ、魅音」
また慧兒に止められた。
「……?」
「また、来いよな」
バタン!
何言って…来るわけないでしょ…?
私は勢い良くドアを開けて外へ出た。