彼は私を狂愛した。
私は走ってレストランに戻った。
「はぁはぁ…すみません遅れました…」
店長に急いで謝る。
少しため息をつかれたけど笑って許してくれた。
「もう、魅音ちゃん遅いよー!
あ、お客様!
魅音ちゃんお願いね♪」
どうやら店に珍しくお客さんが来たらしい。
「いらっしゃいませ!何名様…
っ!!」
え…嘘…
なんで…
「1人です。…ん?あれ、魅音ちゃん…?」
「舜…」
目の前に現れたのは1年ぶりに再会した舜だった。
背も凄く伸びていて髪色も金に近い色に変わっていたから
最初全然分からなかった。
「久しぶりだね、1年ぶり?」
舜が私に尋ねる。
だけど舜の目は笑っていない。
昔の舜じゃないみたい…。
「うん…」
「魅音ちゃん。どうして何も言わずにいなくなったの?
やっぱり俺のせい…?」
舜が悲しそうな表情を浮かべる。
「ごめんね…」
「やっぱり慧兒さんと何かあったの?」
「え、と…」
私が戸惑っていると舜がため息をついた。