彼は私を狂愛した。

私は走ってレストランに戻った。



「はぁはぁ…すみません遅れました…」



店長に急いで謝る。



少しため息をつかれたけど笑って許してくれた。



「もう、魅音ちゃん遅いよー!


あ、お客様!


魅音ちゃんお願いね♪」



どうやら店に珍しくお客さんが来たらしい。




「いらっしゃいませ!何名様…


っ!!」




え…嘘…




なんで…




「1人です。…ん?あれ、魅音ちゃん…?」




「舜…」



目の前に現れたのは1年ぶりに再会した舜だった。




背も凄く伸びていて髪色も金に近い色に変わっていたから


最初全然分からなかった。




「久しぶりだね、1年ぶり?」




舜が私に尋ねる。




だけど舜の目は笑っていない。




昔の舜じゃないみたい…。



「うん…」



「魅音ちゃん。どうして何も言わずにいなくなったの?

やっぱり俺のせい…?」



舜が悲しそうな表情を浮かべる。



「ごめんね…」



「やっぱり慧兒さんと何かあったの?」




「え、と…」



私が戸惑っていると舜がため息をついた。


< 199 / 235 >

この作品をシェア

pagetop