彼は私を狂愛した。
「...!」
そして目を手で覆われた。
「だーれだ?」
え...この声...。
「...しゅ、舜?」
「ピンポン♪」
舜はニコニコと笑いながら私の方を向く。
「どうしたの...?」
なんで、舜がここに...?
「たまたま通りかかったんだ!
...って言うのは口実で
魅音ちゃんのこと待ってた!」
「え...?」
なんで...?
そんなに長い間私を待ってたの?
外には真っ白な雪。
凍えそうな寒さなのに...。
私は舜の手を掴んだ。
「...魅音ちゃん?」
「やっぱり冷たい...
あ、ちょっと待って...
ホッカイロ持ってるから」
私はそう言って舜にホッカイロを手渡した。
「ありがと」
舜は優しく微笑んでホッカイロを私の手から受け取った。
「...あ、なんで私を待ってたの?」
不思議に思いながら舜に聞くと舜は少しだけ頬を赤らめた。
「...いや、なんでもないんだ...
ごめんね?何かいろいろと
じゃあ俺帰るね!」
舜...?
なんだったんだろう...。
今、絶対何か言おうとしたよね...?
まぁ、舜がいいって言ってるから大丈夫かな。
私は舜と別れて悟が待っているマンションへと帰った。