彼は私を狂愛した。

それから数日経ってもう電話は一切来なくなった。



「悟、いってらっしゃい」



今朝もいつものように悟を見送る。



「あぁ…、いってくる…」



…最近悟の様子がおかしい。



仕事で疲れているのかな…



そんなことしか考えられなかった。



よし、今日は悟が好きなハンバーグでも作ろうかな!



悟を励ましたくて私は仕事終わりにスーパーへ行き材料を買いに行った。





「よし、作るぞー」



私は腕をまくり気合いを入れる。



悟、喜んでくれるといいなぁ。



バタンッ!!!



大きな音を立てて玄関のドアが開いた。


え…?



悟もう帰ってきたの…?



悟が帰ってくるのはいつも7時過ぎなのに。



今はまだ5時___



誰…?



トントントン…




足音を立てながら玄関に近づいた。




「……っ!」



そこで目にしたものは


__悟だった。



< 207 / 235 >

この作品をシェア

pagetop