彼は私を狂愛した。

「はぁ…!はぁ…!

た、助けて…」



「悟…⁈」






「俺…まだ、死にたくねぇよ…!!」



…な、にを言ってるの?



悟が涙を浮かべながらガタガタと震える。




「悟…なにがあったの…?」



1度冷静になって悟に尋ねると



思ってもいなかったことを告げられた。







「魅音…もう…別れて…」




悟…なんで…なんで…?




「どうして…?」




「俺、まだ死にたくない…

やっぱり…無理だった…

ごめん、魅音…」




「…どうしてそんなこと言うの…?

なんで謝るの?意味…分からないよ!」



不思議でたまらない。



あんなに強くて優しかった悟がこんなに弱音を吐くなんて…。




「魅音…気をつけろよ…


あいつ…人間じゃない」




え…?あいつって…?



「悟…あいつって誰…?」



恐る恐る聞くと悟が震える声で必死に話そうとした。



「……俺の…」



カチャ…




何の音…?




次の瞬間




黒色の銃が悟の頭に向けられた。



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