彼は私を狂愛した。
「あ、あぁぁあああああああ…」
パンッ__……
銃弾が音を響かせ悟の頭を貫いた。
バタン…
悟が目を見開いたまま私に向かって倒れて来た。
「やっ…いや…!」
バンッ
つい、悟を突き倒してしまった。
「はぁ…はぁ…いやっ、悟!!」
悟の頭からは大量の赤黒い血液が流れ出る。
その血液が私の神経を狂わせる。
「いやあぁああぁあぁあ…!!」
頭を抱えて泣き叫ぶ。
「フフ…怯えている君も可愛いね…
ますます好きになっちゃうよ…」
前から声が聞こえた。
悟を殺した彼。
憎い、憎い、憎い、憎い、憎い…!!
「慧兒…!!
やめてよ…!もう、やめてよおおおおおおおおおお…!」
私は慧兒の胸倉を掴み叫ぶ。
「何言ってるの?」
あれ…慧兒じゃ…ない…?
彼に目を向けると、
深くコートの帽子を被り
マスクをしていて
誰だかさっぱりわからない…
「慧兒…でしょ?慧兒なんでしょ?
ねえ!!答えて…!!」
私は彼の胸を思い切り叩いた。
すると彼は
私を抱き寄せた。
「やっ!!」
気持ち悪い…!
「逃げないで…?俺だよ?」
そう言って彼は帽子を脱ぎ
マスクも取り外した。