彼は私を狂愛した。

ドクン_…ドクン_…


心臓の鼓動が早くなる。



「ほら、早く…」


舜が笑いながら私の口に自分の腕を近づける。



「やだ…」



私が断ると舜は笑った。



え……?




「わかった、じゃあ魅音ちゃん

ちょっとこっち見て…?」




こう言って舜が指差した先は



悟の死体。




「な、にするの…」



震える声で尋ねると舜が真剣な眼差しで私を見た。




「目を離さないでね…?」



グリッ…



ベチャ


ベチャ…




信じられない光景が視界に入った。





舜は悟の眼球を取り出そうとしている。




「…あ…やっ…ぁあ!」



そして舜が満足そうに笑った。



「トレタ」




取れた…?




「はい。手出して…?」



何言って…



「出せよ…」



無理やり手を引っ張られ手の平に


悟の眼球を置かれた。




「いやぁあああぁぁああああああ……!!」



「よかったね、きっとそいつも喜んでるよ?」




舜はそう言って悪魔のように笑った。
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