彼は私を狂愛した。
「さと…るを返して…返してよ!」
私は舜の胸を拳で叩いた。
「…無理だよ?でもさ、こんなことすぐ忘れさせてあげるよ」
「…は?」
つい気が抜けた返事をしてしまった。
意味、わかんないよ…
「…俺のこと好きになってよ?」
そう言って舜は私の手を優しく握る。
顔は笑っているのに
どうしても怖いと思ってしまう。
「…む、りだよ…」
「なんで…俺は魅音ちゃんのことがこんなに好きなのに…」
私の中の舜が少しずつ少しずつ壊れて行く。
「私、舜のことは好きになれない」
「どうして…!」
「ごめんなさい」
チュッ___
舜が私の唇に触れるだけのキスをした。
なんで…なんでキスなんか
「ははっ、魅音ちゃんとキスするのこれで3回目だ♪」
舜の言葉に硬直する。
私、さっき一回無理やりされたのしか覚えてないよ…
「俺さ、魅音ちゃんがアパート泊まりきた時は幸せだったよ…
寝顔…絞め殺したくなるくらい
カワイカッタ」
…あの時から舜は、壊れていたんだね。
「俺、今までずっと気持ち押し殺してたけど
魅音ちゃんがいなくなってから
俺、何回も死のうとしたよ…?
魅音ちゃんに会えないなら…
死んだ方がいいってね…」