彼は私を狂愛した。
私が震えていようと
舜は気づかないふりをしているのか長々と話し出す。
「最後まで、魅音ちゃんを守ろうとした。
俺があいつの両親を殺したり、電話やメールでいくら追い詰めても
魅音だけは…魅音だけは助けてくれってね…」
「悟が……?」
だから、突然電話が来なくなったりしたの…?
そして…だから悟が日に日に疲れ果てた表情をしていたの?
……全部私のために?
なんで私こんなことになるまで
気付かなかったの....
「さ…悟…やぁ…いや…」
なんで悟が死なないといけなかったの?
私が…死ねばよかったのに。
「魅音ちゃん?今、自分が死ねばよかった…とか思ったでしょ?」
__ビクッ
まるで、舜に全てを読まれているようだった。
「だめだよ、魅音ちゃんは死んじゃだめ。
だって、俺が幸せにするから」
スローモーションのように舜の言葉が頭を巡った。
「あんたなんか…死ねばいい…!
罪のない人を殺さないで…!」
私がそう言うと舜がハハッと馬鹿にしたように笑った。