彼は私を狂愛した。
ガチャ…
私は舜と一緒に中へ入った。
「いらっしゃいませ」
レジには慧兒ではない従業員。
しばらくしてその従業員が舜の持っていたチェーンソーに気づいて叫んだ。
「お、おい!内藤…!」
「内藤…?ほら、やっぱりいるんじゃん…」
慧兒の名前を聞いた途端
舜は狂ったような笑顔を浮かべる。
「あ?なんだよ…
……ッ!」
慧兒も舜が持っていたチェーンソーに気づき
一瞬にして歯が震えだし、顔が真っ青になる。
「み、魅音…どうした?仕事の休憩とか…?」
慧兒はこの現実を嘘だと思いたいのか
私に笑いながら話しかける。
「ごめん…なさい…」
「は?なんで謝んの…意味わかんな…」
キュィィィィーン…
キュィィィィーン…
舜が私の後ろでニヤニヤ声を出して笑いながらチェーンソーを動かし始めた。
「…俺、死ぬの?あいつに殺されるのか?
魅音…答えて…俺、死ぬ…のかよ?なあ…答えろよおおおおおおおお…!」
慧兒が私の腕を掴みながら泣き叫ぶ。
そんな慧兒を目の前にしても私はどうすることも出来ない。
「…魅音ちゃんに触れるな…」
舜がゆっくりと慧兒に近づく。
「あ…や、やめろ…来るなあああああああああああああああああああああああああああああ…!」
舜は慧兒の前に立つと
力尽くで慧兒の右手の親指を掴み、
チェーンソーで切り落とした。
「ぁああぁぁあああぁぁあ…!!」
慧兒が狂ったように泣き叫ぶ。