彼は私を狂愛した。
裏切り、人殺し
それから、しばらくの時間が流れた。
だけど、私にはそれが何十時間のように感じたんだ。
「…ん…おん…」
……え?
「み...おん...
俺のこと殺していいよ...」
その時確かに慧兒の声が聞こえたんだ。
慧兒が震えながら一生懸命笑っている。
「...あ...私...」
「いいから...」
慧兒の顔は血だらけで何がどうなっているのか
分からない。
だけれど、慧兒は無理をして笑っている。
それだけは分かった。
「魅音ちゃん、お許しも出たし
ヤッチャオウカ?」
キュィィィィィィィーン...
チェーンソーの音が私の気を狂わせる。
「あぁ...あああああああぁぁああああああああ...!!いやあぁぁあぁああぁあ…!!!!」
ザクッ...
ベチャ...
ブルルルル...ココココ...
ブルン、コココココ...
ブィィィィン...。
ぺチャ_______
「...魅音ちゃんすごいね?
こいつまだ生きてる」
「はぁ...はぁ...!」
慧兒に目を向けると
内臓や腸が飛び出ていて
赤黒いドロドロの血液に包まれていた___
...これ、私が...?
「あ...あああああああぁぁああああああああああああ...」
「怖がらなくていいんだよ...?
ただ魅音ちゃんが散々されたことを
倍に返してあげただけじゃん?
それでいいんだよ」
倍...?
違う...
倍なんてもんじゃない...。
「うぐぁ...あああああああああああ...!!!」
慧兒の叫びが尋常じゃない...。
だけどそれは私が犯してしまったこと。
「さぁ、魅音ちゃん。これでオシマイ」
舜はそう言って慧兒の髪を掴みながら自分の方へ頭を向けさせる。