彼は私を狂愛した。
すると慧兒は視線を下に向け私が叩いた頬を自分の手で撫でた。
「……そうだよな。ごめん。俺間違ってた」
慧兒が水膨れだらけの腕で私の肩を抱き寄せた。
その言葉を信じた私がバカだったんだ__
急に慧兒が思い切り笑い出す。
「…ははははっ!何いってんの?俺のことバカにしてるわけ?」
慧兒は笑ったあと一瞬にして表情を変えた。
「魅音…一緒に死のっか?」
___ジュッ
慧兒は私を押し倒し右腕にタバコを押し付けた。
そして私の口を手で塞ぐ。
「ああぁああぁあああああ…!!!ぃやああぁあああ…!」
その痛みは私の気を狂わせる。
ただただ、私は自分の右腕に複数のタバコの跡が増えていくのを見ていた。
私の時間はここで止まったのかと思うほど__
笑う慧兒を見つめながら私は大粒の涙を落とした。