彼は私を狂愛した。
「うん、これ可愛いなって…」
私がそう言うと慧兒が私の持っていたネックレスを手にした。
「よし、これ買おう」
慧兒は迷わずレジに進んだ。
「え⁉︎慧兒も選びなよ…!」
咄嗟にそう言ったけど慧兒は『いーの!』と首を縦に振る。
本当にいいのか分からなかったけれど慧兒がそれでいいならいっか、と思った。
「魅音、ここの隙間にイニシャル入れよっか?」
「イニシャル?」
「うん、俺のKと魅音のM
あ、それと記念日でも入れとくか!」
慧兒が子供みたいにはしゃいでいる。
こんな慧兒見たの久しぶりだな…。
ふとそう思った。