彼は私を狂愛した。
「ついたよ」
そう言って慧兒が私をバイクから降ろした先は
海が見える素敵なレストランだった。
「綺麗...」
自然と言葉に出た。
こんなレストラン近くにあったんだ。
「綺麗でしょ?ここ、俺好きなんだよね」
慧兒は自慢げな顔をしながらヘルメットを外す。
「いつもバイト先のレストランばっかじゃつまんないでしょ?だからたまにここ来るんだ(笑)」
「そうなんだ…」
私は嬉しそうにそう話す慧兒を見ていた。
「んじゃ、入ろっか」
慧兒は再び私の手首を掴みレストランへ入って行った。