彼は私を狂愛した。
それにリビングはすごく真っ暗だった。
だから人の気配すら分からない。
「慧兒…?いる?」
私は恐る恐る口を開いた。
すると慧兒がソファに座っていることに気づいた。
だけど慧兒は私が声を掛けてもビクともせずただ呆然と座っている。
「慧兒…。ごめんね。遅くなっちゃって」
私がそう言うと慧兒がゆっくり立ち上がった。
「魅音、今日はなんで帰り遅かったの?」
慧兒がそう言った後私の方に振り向いた。
「……!」
私を見る慧兒の瞳はすごく怖い。
こんな慧兒を見たのは初めてだった。