百瀬君の生態記録。
生態その2
放課後、部活やら帰宅やらなんやらでぽつぽつと教室から居なくなる生徒たちを横目で見ながら私もその中の一人になろうとしていた。
机の中の教科書をスクールバックに放り込む。
「はぁ...」
アレと接触してから2日が経つが、あの男は相変わらずで二日前の出来事は幻覚だったんじゃないか、なんて考えていたら自然とため息がこぼれた。
眼鏡に無造作に伸ばした長い髪、教室の端の席で静かに本を読む姿。
私の知っている、いや知っていたと言った方が今は適切だろう。
ここ二日間のアイツは私の知っていた、百瀬君だ。
ここ結構重要。