百瀬君の生態記録。
「俺、あいつ嫌いなんだよね」
その声が明らかに嫌悪丸出しだったものだから、どんだけ嫌いなんだお前は。小学生か。と思ったら苦笑してっしまった.
「いい人だと思うけど、私は」
だって優しいし。
見るからに爽やかで人当たりもいいし。とりあえず百瀬君よりは多分、いや確実にいい人でしょ。
「.....だから嫌いなんだよ」
え、心読まれた?なんて陳腐な考えだっただろうか。
「...?」
「ばーか」
「わっ...」
そうふてくされたように呟いた百瀬君の腕から、急に解放された私はよろけて間抜けな声をあげてしまった。