百瀬君の生態記録。
生態その3
「はいはーい、体育祭実行委員を決めまーす」
ざわつくクラス内で聞こえたそれに、今年ももうそんな季節か。と思いふけっていると「じゃー女子ーやりたいひとー」なんて気怠そうな委員長の声が聞こえ、無意識に目をそむけた。
誰もやりたい人なんていないんだろうな...
私の学校の体育祭は毎年力が入っていて、そのためか実行委員の役割も結構厳しい。
案の定、誰も手を挙げる人がいない。
「じゃーテキトーに決めちゃうけどいいですか?」
再度ざわつく教室内に「じゃー今日は21日なので...」と委員長が続ける。
「佐々木さん~お願いね」
それと同時に佐々木さんのブーイングが聞こえて同情するも、自分じゃなくてよかったなんて安堵のため息を漏らした。