百瀬君の生態記録。
「じゃ、男子は...」
そういってぎらり。教室を見回す委員長が視界にロックオンしたのは。
「百瀬君、お願いね」
「へィ...?お、俺...?!」
先ほどまで話も聞かず、超ぐっすり寝ていた百瀬君が自分の名前を呼ばれたかと反応してゆらゆらと顔を上げると、黒板に書かれた〈実行委員・男子 百瀬紫乃〉の字を見て動揺の声を上げた。
「寝てるのが悪いんだからね」
「...」
百瀬君のほうがよっぽど馬鹿じゃん。
くしゃっと寝起きっ面で頭をかく百瀬君を睨みつけていると、どうしてか目が合ってしまい緩やかに笑みをこぼされた。
あ、眼鏡してない...。