沖田総司は恋をする
僕の気も知らないで、奈津美さんは立ち上がる。

「あまり遅くなると、へきるさんが心配します。そろそろ戻りましょうか」

そう言って彼女は、僕に手を差し伸べる。

白く、か細く、華奢な奈津美さんの手。

…そっとその手を握ると、ほのかな温かみが伝わってきた。

「さ、行きましょう」

柔らかく微笑む彼女に、まだ動悸はおさまらない。






その動悸を心地よく感じながら、僕は奈津美さんと共に歩いた。












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