沖田総司は恋をする
僕が名を名乗ると。

「信じられない…」

まるで化け物でも見るような目で、二人は僕を凝視した。

「こんな事になるなんて…一回目の実験は上手くいったのに…」

そんな事を呟く白衣の女性。

「…申し訳ないが」

僕は彼女達に言う。

「僕も急いでいる。これから池田屋に向かわねばならないのです。事情を説明して頂けないか。できれば、すぐに解放して頂きたい」

そう言うと。

「……」

二人は表情を曇らせた。

…何故そのような顔をされるのかが分からなかった。

しばしの沈黙の後。

「あの…沖田さん」

白衣の女性が話し始める。

「私は、この研究所の責任者である、双葉へきるといいます。これから貴方の置かれている状況について説明しますが…どうか落ち着いて聞いてくださいね?」

僕よりも四つか五つ年上…25歳くらいだろうか。

へきるさんは、僕に慎重に説明を始めた。

「いきなり結論から言ってしまいますが…ここは貴方のいた時代ではありません。ずっと未来の時代なんです」


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