沖田総司は恋をする
流石に深刻な話の後で、気分が沈む。

と。

「奈津美ちゃーん、お腹すいた…ご飯にしよっか」

へきるさんが入ってきた事で、重苦しかった空気が一気に緩んだ。

気づけば、もう昼食時だ。

「あ…そうですね」

奈津美さんが立ち上がる。

「これから作っていたら時間かかりますから…お弁当でも買ってきましょうか。それとも、どこかに食べに行きますか?」

「んー…そうだねぇ」

へきるさんは頭をかく。

「せっかく沖田さんもいるんだし、みんなでご飯食べに行こうか?沖田さんもどうですか?こっちの時代の外食というのも、新鮮かもしれませんよ?」

「…そういう事でしたら」

僕は笑みを浮かべる。

…思うにへきるさんは、僕と奈津美さんが何の話をしていたのか知っていたのではないだろうか。

それで頃合いを見計らい、場を和ませる為に、この機に部屋に入ってきたのかもしれない。

僕の考えすぎだろうか。

それにしても…彼女の心遣いは嬉しかった。

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