沖田総司は恋をする
傷の手当てが終わる頃。

「沖田さん!」

へきるさんと奈津美さんが僕の所にやってきた。

「二人とも、すみません、心配おかけしました」

笑顔を浮かべ、僕は二人に対して言う。

しかし。

「!!」

パァンッ!と。

僕は奈津美さんに頬を叩かれた。

「ちょっ…奈津美ちゃん!?」

僕以上にへきるさんが驚く。

「何のつもりなんですか、沖田さん!!」

奈津美さんは、目尻に涙すら浮かべて怒っていた。

「あんな危険を冒して…英雄気取りのつもりですか!?」

「ちょっと、奈津美ちゃん!言いすぎよ!!」

へきるさんが制止するが、奈津美さんの語気は荒いままだ。

「お言葉ですが奈津美さん」

僕はなだめるように言う。

「僕は、あの女の子の命と引き換えに死ぬようなつもりで助けに行った訳ではありません。ちゃんと二人とも助かる自信があったからこそ炎の中に飛び込んだんです。まぁ確かに手違いがあって、危険な目には遭いましたが…」

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