沖田総司は恋をする
第五幕 月下剣舞
「おかえりなさい。沖田さんちょうどよかったわ、さっき時間跳躍機の調整が終わって…」
言いながら僕を出迎えたへきるさんは、僕の表情を見てすぐに異変を察知した。
「…何かあったの?奈津美ちゃんは?」
「…申し訳ありません、僕がいながら…」
僕は先程起こったばかりの事を、へきるさんに全て説明した。
…へきるさんは青ざめた顔で言葉を失う。
無理もない。
僕以外にも時間跳躍機で呼び寄せられてしまった者がいた事、それが僕の宿敵であった事、その上、奈津美さんが連れ去られてしまった事。
あまりにも、悪い事が重なりすぎている。
だが、悲観している暇はなかった。
すぐにでも奈津美さんを助けなければならない。
そしてそれは、誰でもない僕自身の役目だ。
「へきるさん」
僕はへきるさんの顔を見る。
「奈津美さんに預けていた、僕の刀がある筈です。僕に返して…」
言いかけた時だった。
「ごほっ!!!」
一際大きな咳。
それと共に。
言いながら僕を出迎えたへきるさんは、僕の表情を見てすぐに異変を察知した。
「…何かあったの?奈津美ちゃんは?」
「…申し訳ありません、僕がいながら…」
僕は先程起こったばかりの事を、へきるさんに全て説明した。
…へきるさんは青ざめた顔で言葉を失う。
無理もない。
僕以外にも時間跳躍機で呼び寄せられてしまった者がいた事、それが僕の宿敵であった事、その上、奈津美さんが連れ去られてしまった事。
あまりにも、悪い事が重なりすぎている。
だが、悲観している暇はなかった。
すぐにでも奈津美さんを助けなければならない。
そしてそれは、誰でもない僕自身の役目だ。
「へきるさん」
僕はへきるさんの顔を見る。
「奈津美さんに預けていた、僕の刀がある筈です。僕に返して…」
言いかけた時だった。
「ごほっ!!!」
一際大きな咳。
それと共に。