あたしのトナカイくん
……もしかして。
戸波くん、もうあたしのことなんか、すきじゃなくなったのかな。
《自分のすきな人が具合悪そうにしてたら、そばに付いててやりたいって、思うもんじゃないかね》
あのときは、そう言ってくれたけど。
だけどあたしがバイトを休んでる間に、やっぱりこんな面倒くさいやつ嫌だって、思ったんじゃないかな。
……だってあたし、年上だし。
告白の返事も、ずっと、曖昧にしてたし。
だから。だから、戸波くんは──……。
「……三多さん、何ぼっとしてんの」
「へ、」
唐突に聞こえた声に振り向くと、そこには今の今まであたしの思考を支配していた、戸波くんがいた。
同時に、今は接客のためカウンターに立ってたんだと思い出して、あたしは慌てて背筋を伸ばす。
や、やばい……バイト中に意識飛ばしてるなんて、自称アルバイトの鬼のあたしからしたら、ものすごい大事だ。
ぺちぺちと両頬を軽く叩いてから、あたしは隣りに立つ戸波くんを見上げた。
戸波くん、もうあたしのことなんか、すきじゃなくなったのかな。
《自分のすきな人が具合悪そうにしてたら、そばに付いててやりたいって、思うもんじゃないかね》
あのときは、そう言ってくれたけど。
だけどあたしがバイトを休んでる間に、やっぱりこんな面倒くさいやつ嫌だって、思ったんじゃないかな。
……だってあたし、年上だし。
告白の返事も、ずっと、曖昧にしてたし。
だから。だから、戸波くんは──……。
「……三多さん、何ぼっとしてんの」
「へ、」
唐突に聞こえた声に振り向くと、そこには今の今まであたしの思考を支配していた、戸波くんがいた。
同時に、今は接客のためカウンターに立ってたんだと思い出して、あたしは慌てて背筋を伸ばす。
や、やばい……バイト中に意識飛ばしてるなんて、自称アルバイトの鬼のあたしからしたら、ものすごい大事だ。
ぺちぺちと両頬を軽く叩いてから、あたしは隣りに立つ戸波くんを見上げた。