あたしのトナカイくん
……とか思ってたら、宣言通りすごいやつされました、はい……。



「サンタさん、大丈夫?」

「だ、だれの、せいで……っ」



息も絶え絶えで床にへたりこんでいるあたしに対し、戸波くんは余裕の表情で、こちらを見下ろしている。

ていうか、な、なんだ今のは! しっ、ししし舌とか、こう、もももものすごく、ハレンチだったんですが!!

ななっ、なんなのもう!! 最近のDKこわすぎ!!



「あー、そうだな。俺のせいだな」



軽ーい調子でそう言って、彼はあたしの手を引き起こした。

その顔は、やっぱりなんだかとてもうれしそうな笑顔で。なんだかなぁ、と思いながら、あたしはパタパタと服のホコリを払う。



「……あ、そうだ戸波くん」

「ん?」



ごそごそ、今度は着ているコートのポケットを、探って。

そうして手にしたものを、あたしは彼に手渡した。
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