【完】恋の太陽、愛の月
「・・・なんでそんな反応するんだよ」
胸が痛い。
苦しくて、切なくて。
楓も今こんな気持ちを抱いているのだろうか。
何を思っているんだろうか。
泣いていないだろうか。
「・・・俺って、なんなんだろうな。ひなたのこと考えてると思ったら楓のこと考えたり」
俺はとりあえず楓に電話をかけてみた。
もしかしたらまだ俺の言葉に耳を傾けてくれるかもしれない。
『おかけになった電話番号は電源が切られているか、電波の届かないところにあります…』
何度かけてもそうなってしまう。
だから俺は留守電としてこう言っておいた。
「もしもし?会って話がしたい。とりあえず電話に出てくれ」
留守電を残した後、携帯をしまおうとしたその時。
「咲夜」
「・・・た、太陽?」
今一番会いたくない人物が目の前に立っていた。