【完】恋の太陽、愛の月
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複雑な思いを抱えたまま俺は太陽にメールで伝えてもらった時間に、元秘密基地の公園に出向いた。
「咲夜遅いよー!」
「ちょっとな」
太陽は見なれない防寒着を着ていた。
でも、どこか見覚えのあるコート。
少しでかいようで、ずっぽりと埋もれているような気がする。
「・・・ん?そのコートって太陽のか?」
「あ、違うよ。ひなのお父さんの」
「借りたのか」
「うん。あの後ひな見つけて、ひなのお母さんのお見舞い行ったんだ。容態が悪いから入院長引くって病院の人に言われたんだけど、そんなに悪いように見えなくて・・・!元気だったよ!あ、それで着替えとかたくさんもってきたつもりだったんだけど防寒着とか少なくてさ。ひなのお母さんがそれ知ってこのコートの場所教えてくれたんだよ」
太陽は本気でおばさんから信頼されてるんだと悟った。
・・・このコートがおばさんにとってどれだけの価値があるかを俺は知っているから。