【完】恋の太陽、愛の月
「久しぶりにブランコ本気に乗ったら汗かいた。・・・あっちぃ」
「一応真冬だよ咲夜。僕もちょっと暑いけど」
ブランコ対決がひと段落して、俺は羽織っていたコートを脱いだ。
太陽は暑いと言いながらも決してコートを脱ごうとはしない。
・・・なんとなくどうしてなのかわかるけど。
「で?男同士の話ってなんだよ」
「んー。別に?特にないよ」
「はぁ?」
「これといってお題はない!」
「なんだよそれ・・・。だったら居酒屋とか温かいとこでもよかっただろ」
「そういう気分じゃないんだよ僕が」
「どういう気分だよ」
複雑な気持ちで太陽といるはずなのに、俺は自然と会話をしていた。
だから自然と聞きたかったことも聞く事ができた。
「あのさ太陽」
「んー?」
「お前、何があったんだよ」
「何がって?」
「・・・いや、遊園地行った時のアレ。お前は全然変わってなかったけど変わろうとしてただろ。上手く言えないけどさ。なんでなんだよ」
「あー」
「教えてもらう権利はあると思ったから聞いてみたんだ。言いたくなきゃ無理強いはしない」
「別に言いたくないわけじゃないよ。そうだね、話そっか。咲夜になら」