【完】恋の太陽、愛の月
私が聞こうとした時、タイミング良く咲夜が現れた。
「待たせたな。途中で雪が降ってきて足とられて遅くなった」
「おおお咲夜!久しぶり!」
思わず立ち上がって咲夜に寄る太陽君。
「分かったからあんまり大きな声出すな」
「いやぁだって電話とかだと話してたけど生の咲夜久しぶりだから」
「ったく・・・。どうせひなたにも抱きついたりしたんだろ」
「・・・あ!」
咲夜の言葉で思い出したかのように太陽君は私の方へやってきた。
「会いたかったよひな♪」
その言葉が合図となり、私の体は太陽君に包み込まれた。
「わぁ・・・ひなだ。本当にひなだ」
体のあちこちを優しく触れられ、私はもうどうしていいか分からなかった。
言葉も出ない。
「おいやめろ。俺の言葉で思い出したように抱きつくんじゃない」
「やめろってこっちのセリフ!せっかくひなでぬくぬくしてたのに」
「俺のカイロやるから我慢しろ」
「咲夜のぬくもりなんていらなーい」
太陽君は咲夜に私からぐいっと離され、文句を言っているよう。
でも私は咲夜に感謝した。
「とりあえずもう十分休んだだろ。タクシー呼んどいたから乗るぞ」
「はーい♪」
「・・・」
私は何も言わず二人の後をついていった。