【完】恋の太陽、愛の月



「できたよ」


「さすがの出来だな」


「少しだけアレンジ加えてみたんだ!他にはないアレンジの仕方だからお見舞いされる人もきっと喜んでくれると思う!」


「そうだな。きっと喜んでくれる」





咲夜は代金を払ってからガーベラのフラワーアレンジを受け取った。


結局私たちの間には何事もなかったかのようにこれからも時間は流れるのだろうか。


・・・でも、それが一番いいのかもしれない。







それから時間が経ち、夕方。


昨日みたいにお店を閉めてお母さんのところに行こうと思ってたけど、夕方になってから急にお客さんが立て続けに来た。


だからそのままいつもの閉店時間にお店を閉めた。


もう外は真っ暗で、時計を見ると病院の面会時間も終わっていた。




「・・・また明日行ければいいかな。ごめんねお母さん」



私は家に戻り、一人寂しくご飯を作って食べた。


「わん!わんわん!」


そんな私の気持ちを読みとってか、タローが私に寄ってきた。



「タロー・・・!ありがとね。タローもいるもんね!私寂しくなんかないよっ」


「わん!」




と、言いつつも携帯の着信を私は寝るまで気にしていた。


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