【完】恋の太陽、愛の月


慌てて花の傍に近寄る。


中にはカードが入っていた。

もちろん全てに。



私はそれら一つ一つのカードを取り出して目を通した。




【今日のアレンジもすごく良かった】


【腕をあげたのね。もう私以上】


【もう少しだけオレンジのガーベラを入れても良かったかもしれない】


【毎日ありがとう】


【私は今日も元気です】





そのカードに書いてある字はお母さんのものに間違いなかった。


止まっていた涙があふれ出す。

生きている頃お母さんが私に宛てて書いたカード。



でもどうして・・・。






その時私ははっとした。



『さすがの出来だな』


『少しだけアレンジ加えてみたんだ!他にはないアレンジの仕方だからお見舞いされる人もきっと喜んでくれると思う!』


『そうだな。きっと喜んでくれる』



咲夜が毎日買っていたガーベラのフラワーアレンジ。

もしかしてあの時からずっと・・・?




『お見舞い、毎日行ってるの?』


『・・・まぁな』


『多分毎日来てくれるのって嬉しいんだろうなぁ』



一日に、二つ買ってくれた時もあったよね。

・・・私の代わりに毎日?



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