【完】恋の太陽、愛の月
「・・・そうだよ。俺があげてたんだ」
「そっか・・・。やっぱり。ありがとね??」
にっこりと私は心から微笑んだ。
すると、咲夜は話をそらすかのようにメガネを外して拭き始めた。
「もしかして照れてたりするの?」
「・・・!」
持っていたメガネは真っ逆さまに床に落ちる。
明らかに動揺してますっていう動作。
「別・・・に。お、お前のためとかじゃなくて。おばさんのお見舞いに俺が行きたかっただけだし」
「ふふっ・・・分かってる。ありがと」
咲夜は本当に優しくて、隣にいても心地いい。
まるで月が照らしてくれる優しい光のような眼差しも、本当に私の心の支えになった。
お母さんがいなくなってしまった今も。
照れながらも、私を見つめる瞳は・・・。
ありがとうをどれだけ言っても足りないだろう。
太陽君からの連絡がなくなってからずっと。
陰ながら支えててくれたんだね。