【完】恋の太陽、愛の月
「太陽?」
「・・・うん」
「お前は仕事やってればいいよ。その気があるなら俺が迎えに行ってやる」
僕は一歩を踏み出さなきゃいけない。
このまま立ち止まっていても意味がない。
約束がなんだ。
今ひなは僕の彼女。
最初で最後の人。
そう決めているんだ。
「・・・頼んだよ。丸岡さん」
僕は机の中に大事にしまっておいた小さな箱を取り出した。
本当は大学を卒業してから渡そうと思っていた物。
「これを」
「用意してんじゃん笑」
「本当は自分で渡したかった。・・・でも、早く渡さなきゃいけない。そんな胸騒ぎがして。一刻も早くよろしく丸岡さん」
「まかせとけ。んじゃいってくる。その前に倒れんじゃねぇぞ」
「もちろん。僕も頑張るよ」
ひながいれば、僕が何をやっても夢が叶ったことになる。
ひなにとっても僕が夢の一部であれたらいいと心の底から願おう・・・。