【完】恋の太陽、愛の月
復讐
【ひなたside】


………

……







「あ、立ち話もなんですよね・・・。あがってください」


「いえ、お気づかいは嬉しいですが・・・」


「お店も閉めますので!あがっててください!ほんと!」


「・・・じゃあお言葉に甘えて」




丸岡信司と名乗ったこの男の人。


優しそうで、紳士的な雰囲気。

私はすっかり安心していた。






お店も閉めきり、はっきり言って閉じ込められた空間に男女が二人きりという状況だった。



でも私はそんなこと気にもとめてなかったし、丸岡さんも気にしている様子はなかった。





「・・・この方は?」


「うちの、母です」


「三井様のお母様も亡くなりになられたのですね」


「はい」


「こんな事言うのは不謹慎かもしれませんが、うちの太陽と何か運命的なものを感じますね」


「・・・」




こんなことで運命を感じたくはなかったけど。


丸岡さんの言葉に何か返すことはできなかった。




「せっかくですので、お母様にもこの提案を聞いていただきましょう」


丸岡さんはお母さんの真横に座り、持っていたカバンの中に手を入れた。


私も丸岡さんの前に座って提案を待つ事にした。
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