【完】恋の太陽、愛の月
「ありがとうございます!!三井様!!!!」
「・・・いえ」
「必ず東京に戻ってから太陽本人がプロポーズをくださるはずですので安心してくださいね!」
「は、はい」
「では、その指輪をこちらへ」
「あっはい」
私は左手の薬指にはめていた指輪を丸岡さんに渡した。
「おっと」
「あっ・・・」
太陽君がくれた指輪。
私と太陽君を繋ぐ指輪。
それは真っ逆さまに下に落ちた。
まるで何かを暗示しているかの様に。
私は慌てて指輪を拾おうと手を伸ばした。
でもその手は丸岡さんの手に止められた。
「・・・っ!」
がしっと掴まれた私の右手首。
振りほどこうにも男の人の力は強い。
「ま、丸岡さん?」
「・・・君、本当に太陽のこと好き?」
一瞬ドキっとした。
だって、咲夜のことをちょっとでも考えてしまっていたから。