【完】恋の太陽、愛の月
ひながどうして来てくれたのか。
僕は疑いもしなかった。
プロポーズの返事を口で伝えに来てくれたんじゃないか。
そんな能天気な考えばかり浮かんでいた。
「失礼します」
久しぶりに聞くひなの声。
「ひな・・・!」
久しぶりに見るひなの姿。
「久しぶり、太陽君」
久しぶりに見るひなの笑顔。
でも、何か違和感があった。
・・・ひなは少し痩せたようにも見える。
笑顔もどこか寂しそうだ。
「連絡ずっとできなくてごめんね?うちの秘書がそっちに行ったと思うんだけど・・・」
「来たよ、丸岡さん」
「あ、ああ!良かった。無事に会えたんだね!それで・・・」
「プロポーズの話も聞いたよ」
「あっうん。そう!プロポーズ、ね!なんか恥ずかしいな。てか、ひなもこっち来るなら連絡くれれば迎えに行ったのに!・・・・・・会いたかったよ」
僕はひなを抱きしめようと近づいた。
だけどひなはそれを拒んだ。
「・・・ひな?」