【完】恋の太陽、愛の月

「もしもし」


『・・・』


「太陽？どうしたんだよ」


『ひな・・・』


「・・・ひなた？」


『別れたんだ。僕達』


「・・・は？」


『今頃そっちにひなはいるかなって思って咲夜に電話した。なんか女々しいよね』


「いや・・・こっちも店を閉店ってなってる。てっきりお前のとこかと思ったよ。別れたって・・・信じられないな」


『店を閉めた！？どうして・・・』


「・・・分からない」


『そんな・・・。僕・・・どうしたら』


「とにかくひなたのこと探すしかないだろ。そういえば朝比奈財閥の秘書の丸岡って人が来たぞ」


『・・・丸岡さんには僕が頼んでひなに会いに行ってもらってたんだ』


「あの日の次の日からひなたはいきなり俺の前から姿を消した」


『・・・え？』


「その丸岡って奴が何か関係してるってことかもしれないな・・・」


『丸岡さんにも連絡がつかないって、そういうこと・・・なのかな』


「・・・とにかく俺はひなたがこっちで行きそうな所を探してみる。もうどこか行ってたら手遅れかもしれないけど」


『ひなたは昼前までは東京にいたよ。・・・実際に目の前で話したから』


「・・・どうして引きとめなかったんだよ太陽！」


『動けなかった。・・・かっこ悪いよね僕』




俺は腕時計で時間を確認した。


丁度夕方の5時をまわったところだ。




「もしかしたら戻ってきてるかもしれないからこっちで探してみる。太陽はそっちを探せる限り探してみてくれ」


『・・・ん』


「元気出せよ！ひなたがお前との別れを望むわけないだろ？何か理由があったんだよ！・・・俺は応援してるから。な？」


『ありがとう、咲夜』