【完】恋の太陽、愛の月
私は目を閉じてみた。
浮かんでくるのは・・・。
太陽君との思い出。
楽しかった思い出。
初恋の苦しさ、転校を知った時の悲しみ、連絡が途絶えたときの切なさ。
・・・あれ?
違う。
『俺がいるだろ』
『馬鹿ひなた』
『太陽には俺から言ってみる』
『最後まで笑ってたよ』
『俺絶対にひなたのこと幸せにするから』
咲夜だ・・・。
私の隣にはいつも咲夜がいた。
初恋も本当は・・・。
あの約束をした時。
どうして、気付かなかったんだろう。
ううん、気付かないふりをしてきたんだろう。
「・・・ひなたさん。どうですか?」
私はそっと目を開けて呟いた。
「私、勘違いしてたみたい」
「・・・そうですか」
楓ちゃんはにっこり微笑みながらポケットから何かをとりだした。
「・・・ストラップ?」
「私からのプレゼントです」