【完】恋の太陽、愛の月



私たちはひとしきり泣いた。

そして思う存分昔の話をした。


おばあちゃんのお墓の前で。




「あの時のひなたのチョコレートと言ったら。食べられるものじゃなかった」


「えー?僕は食べれたよ?ひなのチョコ」


「嘘だろ!?太陽味覚音痴なのか・・・」


「咲夜ひどい!私頑張って作ったのに・・・!」





涙はいつの間にか枯れて笑顔の花が咲いていた。


その花を包み込むように空からは白い雪がはらはらと舞い降りてくる。




「雪、か」


「雪だね」


「うん、雪」



咲夜と私と太陽君。


おばあちゃんとの別れを惜しみつつ、その場を去った。





「ばあちゃんは僕達の心の中でずっと生きてるし」


「そうだね」


「当たり前だろ」





本当にタイムスリップしたみたいに感じられるこの時間。


私たちは完全にあの頃に戻っていた。




「ほら、喫茶店行くんだろ?」


「うん!僕クリームソーダ飲みたいんだよね」


「あははっ太陽君子供っぽいよ」


ぐーっとなる三人のお腹の音。

お互い笑いをこらえながら喫茶店へと足を運んだ。
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