【完】恋の太陽、愛の月
そんな俺が何故太陽に嘘をついたのか。
理由はある約束があるから。
**
-5年前-
~♪
「もしもし」
『咲夜やっほー!』
「相変わらず元気だなお前は」
『相変わらずクールだな咲夜は!』
「で?なんで急に電話なんてしてきたんだよ」
『相談があって』
「相談?」
『明日電車でそっちに行くつもり。学校休みだよね?』
「東京から!?・・・いや、まぁ休みだけど」
『じゃあ話はその時に。おやすみ』
俺が質問する前に太陽は通話を切った。
2年前くらいに転校していった太陽。
ようやく携帯を持てた俺はすでに携帯を持っていた太陽に手紙で連絡先を交換した。
だからさっきも電話で話していた。
俺からか太陽からかは分からないけど、週一くらいでよく電話をしている仲でもある。
・・・でも一つ気がかりなのはひなたと太陽の間だ。
前は毎日でも文通していた二人だったのに今では全くと言っていいほど疎遠状態な気がする。
俺はひなたからたまにその話を聞いているけど、俺自身は太陽と繋がっているから何とも言えない。
かといって太陽に聞けるはずもないまま今日に至っている。