【完】恋の太陽、愛の月
両想い
【ひなたside】


………

……






太陽君から大事な話があると言われた夜。

私は咲夜と一緒にいた。



でもこれは太陽君が次の日楽しんでもらうため。

だからしょうがないと思いつつも、ずっと太陽君からの話が気になっていた。



咲夜はそれを知ってか知らずか何故か次の日の話を一切しなかった。


私が切り出そうとしても話をすぐにかえる。


挙句の果てには勝手に帰ってしまった。



**


「明日の話するんじゃなかったの??」


「・・・悪い。そういう気分じゃなくて。俺、明日は塾あるからお前らで行って来い」


「ちょっ!!」


「じゃあな」


**





そして今日に至る。


12月5日。


太陽君と二人きりになるなんてドキドキして何話せばいいのか分からなくなるだろうから、私はメールで『今日は私も咲夜も用事が入ったのでなしになりました。ごめんね』と送った。



太陽君とまた明日という約束をしたのにこういう結果になってしまって私は辛かった。


怒ってないかな、気分悪くしてないかな。

そんなことばかり一日考えていた。



しかも今日は夜太陽君から聞けなかった大事な話を聞く日でもあった。


夜に普通に会えばよかったんだろうけど、用事があると言ってしまった手前「夜は行ける!」なんて言えるわけもなく。



太陽君からは『大丈夫』という短いメールが何時間もたった後に返ってきただけだった。
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