【完】恋の太陽、愛の月
「そっか。じゃあ腕によりをかけて作らせてもらいます!」
「頼んだ」
「じゃあお礼は今日飲みに連れてってね」
「はぁ?ちゃんと花束の代金払うんだからいいだろ」
「それとこれとは別なの~」
「・・・はぁ。分かったよ」
お互い高校を卒業してからも家が近いからたくさん会ったり、話したりし続けて仲もいい。
20歳を超えてからは飲み屋に二人で足を運ぶ事もある。
周りの友達からは「それって彼氏?」と言われたりもするけど、私は即否定する。
咲夜も何も言わないし、私が黙ってたら恋人だと思われてしまうから。
「三井ひなた!!」
「・・・はい!?」
「何ぼけっとしてるんだよ。どこの店行きたいか聞いてるのに」
「ご、ごめん。いつものとこでいいよ」
「そうだろうと思ったよ。じゃあその花束出来たら呼んで?俺ちょっとお前んちの犬と触れあってくるから」
「タローと?咲夜嫌われてるんだからそろそろ諦めればいいのに」
「うるせぇ。・・・あ、おばさんあがらせてもらいます」
咲夜はお母さんに一礼して家に入っていった。
お母さんもにっこりと笑って「どうぞ」と咲夜を中に通していた。
店と家は一つに繋がっていて、いつでも行き来できるようになっている。
「・・・よし、ちゃっちゃと作っちゃおう」
私はお母さんと話しあいながら花束を作っていった。