【完】恋の太陽、愛の月
「あのさ」
「う、うん!?」
太陽君が好きだと考えている時に丁度声をかけられ、声がうわずってしまった。
「どうしたのひな?声が・・・」
「な、なんでもない!なんでもない!!」
「そう?」
私は必死に頭を縦に振った。
「それでね?ひな」
「・・・」
「大事な話、今してもいいかな?」
「あっうん!!」
そっか。
そうだよね。
今現にこうやって会ってるもんね。
大事な話ってなんだろう。
もしかしてこっちに帰ってきてくれるとかかな?
だったら嬉しいな。ずっと三人で一緒にいれるし。
でももしそうだったら咲夜がいる時に言うはずだよね。
私がうーんと悩んでいると、太陽君が突然に私を引き寄せて抱きしめた。
私と太陽君の間でタローがぎゅうぎゅうになっている。
「た、太陽君!?」
急な出来事に胸の高鳴りが大きくなる。
「・・・ちょっとこうしててもいいかな」
「いい・・・よ」
好きな人に抱きしめられていて嫌な女の子はいない。
だって、今の私がそうなんだから。