【完】恋の太陽、愛の月
寒かった体が一気に暖まっていく。
タローのおかげもあるんだろうけど・・・。
タローも居心地がいいのか暴れずに大人しい。
気付くと粉雪が空から舞い始めている。
「・・・このまま、聞いて」
「・・・はい」
心臓の音が太陽君にも聞こえてるんじゃないかと思って不安になる。
止めようと頑張っても大きくなるばかり。
これから先、太陽君が言う言葉を私は必死に頭の中で検索した。
でも一つしか出てこない。
そしてそれは当たっていた。
「ひなのことが好き」
「・・・っ」
私たちは両想いだった。
私だけじゃなくて、太陽君も私を想ってくれていた。
心から幸せに感じた瞬間。
「ひなは・・・?」
「・・・私、も」
「ちゃんと言ってほしい」
「私も太陽君が・・・。好き」
勇気を出して言った一言。
太陽君が転校してしまうと分かっていた日も言おうと思っていた言葉だった。